Virgin orbit さらに3回目となる軌道投入にも成功
Virgin orbitは、Virgin Galacticから小型衛星打ち上げを目的で分社して設立されました。当初は、ヴァージン・アトランティック航空の引退した航空機を改造し、衛星を打ち上げるスタイルになりました。
空中発射小型ロケット開発に取り組んでいるVirgin Orbit(NASDAQ: VORB)が、2回目の商業打ち上げとなるミッション”Above the Clouds”を実施し、搭載した小型衛星7機の軌道投入に成功しました。
2021年1月に初めて軌道投入に成功し、今回で3回目の軌道投入成功となるVirgin Orbit。Virgin OrbitはSPAC(特別買収目的会社)を活用して2022年1月7日にNASDAQ市場への上場を果たし、今回が上場後初の打ち上げ成功となりました。
Virgin Orbitは通常の小型ロケットの打ち上げと異なり、自社保有するボーイング747を改良した小型ロケット運搬機(Cosmic Girl)から小型ロケット(LauncherOne)を発射する「エア・ローンチ」と呼ばれるシステムを採用しています。
今回のミッションでは、過去2回の打ち上げの際と比べてLauncherOneの切り離し位置を南南西の方角にずらしており、小型衛星を高度500km軌道傾斜角45度の地球低軌道に投入しました。西海岸からこの軌道に到達したのは今回が初めてであり、既存の地上からの打上げと比較して衛星の軌道修正に費やされる時間と燃料が節約できるとのことです。
今回LauncherOneが打ち上げたのは、米国防総省のPathfinder for Autonomous Navigationプログラムの小型衛星4機、ポーランドの衛星ベンチャー企業SatRevolutionの小型衛星2機、Spire Global(NYSE: SPIR)のデブリ観測衛星1機です。
Virgin Orbitは今回の打ち上げを含めて2022年内に6回の打ち上げを予定しており、そのうち2回は英国のコーンウォールの宇宙港から打ち上げ予定です。
Virgin orbitは、2021年1月と6月にもランチャーワン打ち上げに成功しています。軌道に投入された衛星の数は、26機になります。
2022年夏以降、大分空港から打ち上げ予定
計画しているVirgin orbitは、大型航空機で人工衛星を載せたロケットを高度10キロまで運び、切り離す「水平型」と呼ばれる方法です。
2022年夏以降の打ち上げを予定しており、大分空港からの打ち上げが本格的になってきています。水平型宇宙港として整備が進んでいき、宇宙港計画について大分県内の自治体が連携協定を結びました。(大分県国東市×大分県信用金庫×おおいたスペースフューチャーセンタ−)宇宙港計画を活用した事業の支援や観光振興、宇宙ビジネスセミナーの開催を予定しています。
注目のアメリカの宇宙関連株
アストラ・スペース
アストラ・スペースは、アメリカカルフォルニア州にあり、小型・超小型衛星打ち上げ用のロケットを開発している会社です。
半導体の進歩で人工衛星がどんどん小さくなっており、人工衛星を打ち上げるコストも以前より低コストで打ち上げることができます。アストラ・スペースは、1日1回のロケット打ち上げを目指しています。
Astra(アストラ)はこれまで、初期のロケット数機をアラスカ州コディアックで打ち上げてきたが、今後は打ち上げ場所を拡大する予定だ。同社は米国時間12月6日朝、クライアントであるNASAから請け負ったミッションを、2022年1月にフロリダ州のケープ・カナベラルから打ち上げると発表した。
この打ち上げは、ケープ・カナベラル宇宙軍基地の広大な敷地内にあるSpace Launch Complex 46 (スペース・ローンチ・コンプレックス46)で行われる予定だ。この施設は、かつてミサイル試験用基地として使われていたが、しばらく使用が停止されていた後、1997年に商業宇宙事業のために再開された。以降は2019年に実施された直近のミッションまで、散発的に使用されている。
Astraが計画している打ち上げは、同社にとってだけでなく、米国からの打ち上げに尽力している米宇宙軍のSpace Launch Delta 45(第45宇宙航空団)にとっても大きな価値がある。これまでの宇宙開発では、打ち上げに必要な承認には数年を要していたが、今回のミッションはわずか「数カ月」で承認を得ることができた。
Astraにとっては、打ち上げのために利用可能な選択肢が増えることになり、顧客のペイロードを届ける軌道の幅を広げるという意味でも重要だ。また、フロリダという土地は歴史的に天候が比較的安定していることもあり、打ち上げ場所として人気が高い。
Astraのコアバリュープロポジションの1つは、ロケットが小型であり、現場における打ち上げ業務に必要な装備も軽量であるため、最小限の人員と準備だけでさまざまな場所から効果的に打ち上げを展開できることだ。ゆえに、それを証明するためにも、打ち上げ場所を多様化することは重要になる。
AstraのBenjamin Lyon(ベンジャミン・リオン)氏とKelyn Brannon(ケリン・ブラノン)氏は、来週の「TC Sessions:Space 2021」に講演者として参加する予定なので、2022年の計画についてはそこでより詳しく知ることができるだろう。
画像クレジット:ASTRA / JOHN KRAUS
(文:Darrell Etherington、翻訳:Hirokazu Kusakabe)
ロケットラボ
ロケットラボは、アメリカのロサンゼルスを拠点とする航空宇宙企業です。小型ロケットから大型ロケットまで。人工衛星や有人飛行を想定しています。
宇宙用太陽光発電製品、精密航空宇宙構造物のサプライヤーであるソルエアロ・ホールディングスを買収。
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